いつも大変お世話になっております。
株式会社コトブキ菊田です。
瓦屋根のお住まいで、
「銅板がいつの間にか穴だらけになっていた…」
というご相談をよくいただきます。
見た目は丈夫な銅板ですが、実は長い年月の中で雨水や瓦との相性によって腐食が進み、穴が開いてしまうことがあります。今回は、その原因を分かりやすくご紹介します。


この記事の目次
① 瓦から出る“アルカリ成分”が銅を腐食させる
土瓦(粘土瓦)は、雨が当たると表面から微量のアルカリ成分が流れ出すことがあります。
この成分が雨水に混ざり、銅板に触れると化学反応が起こり、銅が少しずつ溶けてしまうのです。
特に谷樋や雨水がよく流れる部分は、腐食が進みやすく、ピンホールのような小さな穴が開きやすくなります。

② 同じ部分に雨水が当たり続けると、局所的に傷む
瓦の形状や葺き方によっては、雨水が一か所に集まりやすいことがあります。
同じ所に水が当たり続けると、その部分だけ腐食が加速してしまいます。
「気づいた時には穴が開いていた」というケースは、このパターンが多いです。
③ 酸性雨や排気ガスの影響で腐食が進みやすい環境も
工場地帯・交通量の多い地域では、雨水が酸性に傾きやすく、銅の腐食スピードが早まることがあります。
屋根は常に外気にさらされるため、地域の環境の影響を受けやすい部分でもあります。
④ 金属同士が触れると起こる“電食”
銅板が別の金属(鉄やアルミなど)と触れている状態で雨水がかかると、
金属同士の電位差によって、電気的な腐食(電食)が起こり、銅板が急速に傷むことがあります。
⑤ 近年の銅板は薄く、昔より穴が開きやすい傾向も
昔の銅板に比べて、近年の銅板は厚みが薄く作られている場合があります。
そのため、腐食が進むと20~30年程度で穴が開くケースも見られます。
放置すると雨漏りに直結します
銅板の穴はごく小さくても、放っておくと雨漏りにつながる危険があります。
「屋根に緑青(ろくしょう)という青緑色の汚れが出てきた」
「谷樋の銅板が黒ずんでいる」
このようなサインがあれば、早めの点検をおすすめします。

まとめ
土瓦の屋根で銅板に穴が開く主な原因は、
- 瓦から出るアルカリ成分
- 雨水の集中
- 環境(酸性雨・排気ガス)
- 異種金属との接触
- 銅板の経年劣化
といった複数の要因が重なるためです。
屋根の無料点検も承っています
「うちの銅板は大丈夫?」
「谷付近が黒く見えるけど心配…」
そんな時はお気軽にご相談ください。
早めの点検が、住まいを長く守る一番のポイントです!
元瓦職人だけあって屋根に上がらせたら天下一品。器用でありながら人として不器用さも有り憎めない存在。茨城なまりがなごみポイント。













